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2011年2月24日木曜日

手記46:釈放の期待

バグダッドのアンラーワン基地で10日ほど過ぎました。
気紛れな拷問でわたしの尊厳をズタボロにし show my gentiles(意味不明)
乱暴に扱われました。
真夜中、取調に呼ばれました。以前、女性の取調官から予備尋問を受け、釈放される可能性があること、10日ほど待っていればいいと言われていたのでこの日を待ち望んでたのです。
手錠をされ取調室に引っ張り出されました。トイレに行かせてくれるように頼みましたが女性兵士は断りました。とにかく取調室の冷たいイスに腰掛けました。数分後取調官が入ってきました。彼女は質問を開始しましたがわたしは拒否しました。「トイレに行かせてくれ」
彼女は警備の兵士にトイレを許可しました。
「よい話しはありません」女性取調官が切り出しました。
「たぶんあなたは無実でしょう。わたしはそう信じます。できそうなことは全てやったのですが釈放はできません。上からの命令が来てしまいました。明日別の基地に送られることが決定しました」
「いったいどこの基地ですか」わたしは尋ねました。
「それは教えられません。あなたはイラクの裁判所に送られ罪が決まるでしょう」
「今のイラクを牛耳っているのは誰なのか知っているでしょう?」
宗派の対立でスンニは追い詰められています。シーア派からジャッジを受ければ私の運命は最悪なものになります。
「ごめんなさい。わたしには何もできることがないのです」彼女は言いました。
わたしは別の倉庫のようなテントに連れて行かれ逮捕された時に着ていた寝間着を出してきました。「おめでとう。これを受け取れば明日の朝には釈放だよ」と倉庫の兵士は言いました。
わたしはど派手な囚人服を脱ぐと汚れてみすぼらしいけれど私服である寝間着に着替え独房に戻されました。
向かいの独房の男と話しをしました。会話は禁じられていたのでこっそりと身振り手振りでです。彼はわたしが私服を着ているの見て、それは明日の釈放が決まったという意味だと喜んでくれました。ウムランという彼はわたしの村から遠くないところの出身でした。彼は自分の家族の電話番号を教えてきました。自分の無事を伝えてほしいと言うのでした。彼の娘の名前はマリアム。愛していると伝えてほしいと言いながら涙を流したのです。
わたしは混乱しました。別の刑務所に移されるという取調官、倉庫係の兵士、どちらの言葉が正しいのでしょうか。

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