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2010年9月5日日曜日

手記9:殺されないために。シリア脱出計画

翌朝、サマワでカメラマンとして働いたことのある友人に相談しました。
サマワのわれわれの事務所の責任者も誘拐された。これからの仕事も続けられるかわからない。自分も脅迫され家族も一人ずつ殺すという。
イラクからすでに多くの市民がシリアに逃れているが誰も仕事をみつけられずカネばかりかかっているという。しかしもうイラクは無理だ。すぐにでも家族をバグダッドから離したい。
検討の結果、家族をいったんサマワの信頼できるエリアに移し単身シリアに渡り移住の準備をすることになりました。
バグダッドでは住人の誰が敵対しているかわからず、計画は注意深く秘密のうちに進めました。

*管理人補足:ワリードの住んでいた町はスンニ派シーア派混在エリアでしたがシーア派武装組織が勢力を伸ばしスンニのワリード一家は圧迫を受けるようになります。
数年後ワリード夫婦の家はワリードが服役中に妻が生活費のために売り払いました。ワリードの実家はスンニが住むには治安が悪すぎて家族はいまだ戻ることができません。

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