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2010年9月10日金曜日

手記17:自衛隊の撤退と村での新しい暮らし

「2006年7月17日。自衛隊サマワ撤退」
自衛隊撤退の取材に日本からジャーナリストが来ました。
無事に取材は終わり取材チームは帰国しました。
自衛隊が去り、サマワの事務所も閉鎖しわたしは職を失いました。
バグダッドに戻ることもできず、村で人生をやりなおすことになりました。

宗派間戦争では、とくにひとつの国の中での戦争ではたいへんに困ったことがありました。それは宗派が支配するエリアの通行でした。ミリシアは町外れに勝手に検問所を作り銃を構えてクルマを止めてID(身分証明書)を提示させます。スンニのわたしがシーアのエリアを通行することは危険で出来ませんでした。逆も同じです。そのため多くのイラク人は偽のIDを持って検問を通っていたのです。

やがてバグダッドに残っていた両親と下の妹が村に逃れて来ました。バグダッドの実家はマフディ軍に奪われ彼らが斡旋するシーア派が住むことになるでしょう。
一家は両親に兄弟姉妹、その家族を入れて20名以上にふくれあがりました。誰もが仕事がありません。時に食糧が底をつき雑草を食べたこともあります。

*管理人より:偽ID使用はワリード逮捕の理由のひとつと聞いています。いずれワリードが米軍による逮捕の真相を書くと思います。

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