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2011年1月13日木曜日

手記30:米軍基地一夜め

基地に着いたのは午前2時を廻った頃でした。わたしたちはそれぞれ個別に聴取を受け、ひとつのテントに容れられました。目隠しをされ後ろ手に手かせされ簡易ベッドに寝かせられました。毛布など寝具も暖房もありませんでした。たったひとつの電気ヒーターは見張りの兵士が使っていました。
夜の冷え込みが厳しくなっていました。尿意が強くなり見張りにトイレに行かせるよう交渉しました。ようやく訴えがとおりトイレ用のテントに連れて行かれました。兵士は入り口の布を取り払いました。手かせは後ろから前にされました。
テントのトイレはかつてこれほどのものを見たことがないくらいの凄まじさでした。プラスティック製のポータブル洋式便器は汚れ放題。水もトイレットペーパーもありません。腹がくだっているときこの半壊したトイレでどのように用を足せというのでしょう。兵士たちは誰もわたちたちの不満に耳を貸しませんでした。わたしたちは敵と見なされた囚人なのだとこれらの扱いではっきりわかりました。

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