ワリード兄弟イラク通信 Topページ  手記  メモ | ワリードとは | メール

2011年1月28日金曜日

ワリード職探し奮闘記

ワリードが釈放されてからもうじき1年です。戦後激しく変わっていくイラクで2年のブランクは大きいうえ精神にも肉体にもダメージを受けて娑婆に帰ってきたワリードにはきびしい職探しです。家族6人さらに一族のために休養の余裕もなく走り始めます。

逮捕されるまで勤務していた基地のショップに戻ることはできません。戻りたくもないでしょう。ワリードがエキスパートだった通訳・ガイドも需要がありません。
混迷のイラクで出来る仕事は何か?ワリードは這い上がろうと必死でもがいています。
・農場でニワトリを育てる。牛も飼っていますがニワトリのほうが早く出荷できる。
・牛が子牛を産んだけど、、、餌を確保するのがたいへん。雨が降らないので牧草も貴重。
・やはりジャーナリズムが忘れられない。誰か来ないかな?
・日本から何か輸入できないか?
中古の自動車は?・・・・イラクの法律が変わって2年(3年かも)より古い中古車の輸入禁止!
中古の自転車は?編み機は?・・・安い中国製が市場を制覇。パソコンは?
建設機械は?ホイールローダーは?

どれも誰かがすでにやっていて厳しい競争のようです。

そんななかでワリードに採用通知が届きました。多国籍企業、有名な石油会社からです。ワリードは工学部を出ているのでエンジニアとしての採用です。家もクルマもついて月収8,500ドル!週5日の35時間労働。勤務地はマレーシアのクアラルンプール。2年間の契約です。とんでもなくよい条件です。海外勤務は危険なイラクから逃れることにもなります。出発は一ヶ月後となっていました。


気の早いひとはここでワリードにおめでとうメールをしないでください。
詐欺でした。から。
マレーシアまでの航空券代金を立て替え払いさせる(800ドル)のが目的でした。採用通知のレターヘッドはたいへんに手の込んだものでした。ワリードは3日間だけ夢を見ました。幸い相談した友人が詐欺と見抜いたためワリードに被害はありませんでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿