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2011年1月14日金曜日

手記32:暴行

弟の取り調べには脅しと暴力がありました。弟は何も知らないと言い続けたそうです。殴られ顔から血を流していました。アリはまだ17才です。わたしは頭に来ました。がまんできません。この気持ちをなんと書き綴ればよいでしょう。
寒い夜でした。義理の弟は取り調べに連れ出されたきり戻ってきませんでした。彼はまだ14才で連れてこられて以来泣き通しでした。父親を最近亡くしたばかりでした。そのため釈放されたとのことでした。
しかしわたしたち兄弟は自由だと言われながらいっこうに釈放されません。

取り調べはわたしに廻ってきました。取調官は険しい顔で現れました。彼は言いました。
「農場で武器を見つけた」
「いったいどこで?」とわたしは聞き返しました。
一枚の写真を見せられました。地中から掘り起こされたような武器でした。その武器をなんと説明すればよいのでしょう。わたしたちは二年前にバグダッドから移り住んできました。そのしばらく前に米軍と覚醒評議会サフアによる武装解除で地域の武器が集められ廃棄処分として埋められたのがわたしたちの農場でした。そのことなら地域の住民はみな知っています。
埋め立て処理の日付の記録、武器についた指紋などの照合を要求しましたが米軍ははわたしたちのものだと決めつけるのでした。

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