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2015年11月20日金曜日

9:家族と未来のために

イスタンブールのホテルで息子と話し合いをしました。海に乗り出すのはひとつの決断でした。息子はイラクの田舎で育った純朴な少年です。危険を冒し海を渡るべきかその判断を彼にゆだねてもいいものでしょうか。しかしイラクに留まっていては彼に未来はありません。電話で話した妻はとくに最初の子供である彼のことを案じています。イラクに引き返したところでさらなる恐怖が待ち受けるだけです。イラクに帰ることはできません。
ある晩、わたしは息子に話しました。イラクで残酷なテロリストに殺されるわけにはいかない。この旅は危険かもしれないが勇気を持って乗りだそう。残してきた家族の未来のためにも。
息子は納得し翌日わたしは斡旋業者を決めました。

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