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2011年2月5日土曜日

行方不明者の家族

戦後のイラクで犠牲者を出さなかった家族は少ないでしょう。宗派の対立によるものや金品目的の強殺など戦前には考えられなかった理由で多くのひとが殺されました。
ある日突然家族の誰かが帰ってきません。犯行声明か身代金の要求があれば行方不明の理由がわかります。遺体が見つかることもあるでしょう。モルグで家族を探し出したひともいます。しかし突然姿を消したきりいつまでも帰ってこないこともあります。家族はどうしたらいいのでしょう。いつまで無事を信じて待つのでしょうか。
交通事故かもしれません病死かもしれません。しかし身分証明書の携行が義務のイラクで身元の所持品なしの不明死体というのも考えにくいでしょう。
ある日本人の母親は帰らぬ息子をひとりバグダッドで6年間待ち続けています。特別な息子だから秘密の刑務所に入れられているのだと生存に希望を持っています。

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